はじめに
発達障害を持つ方や、日々のストレスでメンタル不調を抱えている方にとって、長期間の休職は珍しいことではありません。私自身もその一人で、仕事を続けることが難しくなり、長期間休職せざるを得ない状況に陥りました。
そんなときに生活の支えになったのが「傷病手当金」という制度です。傷病手当金についての情報は多くのサイトで紹介されていますが、今回は私の実体験も交えて、よりわかりやすく解説していきます。
傷病手当金とは?
傷病手当金とは、業務外の病気やケガによって仕事を休まざるを得なくなった場合に、健康保険から支給される給付金のことです。
支給要件
- 業務外の病気やケガで働けない
- 仕事に関するケガや病気は労災保険の対象となるため、傷病手当金は支給されません。
- 4日以上連続して仕事を休んでいる
- 最初の3日間(待機期間)は支給対象外。4日目から支給される。
- 給与が支給されていない
- 会社から給与が出ている間は、傷病手当金は支給されません。
- 健康保険に加入している
- 国民健康保険ではなく、会社の健康保険(協会けんぽや組合健康保険)に加入していることが条件です。
支給金額
支給額は 「標準報酬日額の3分の2」 です。例えば、月収30万円の方なら、1日あたり約6,600円(30万円÷30日×2/3)が支給されます。
申請のタイミングとポイント(実体験)
傷病手当金を申請する際には、会社や医師の協力が必要になります。私の経験から、スムーズに申請するためのポイントをお伝えします。
① 申請のタイミング
私は資金に余裕がなかったため、基本的に 月末で締めて、月初に書類を提出 していました。提出から支給までは 2週間以上 かかることが多いので、できるだけ早めに手続きを進めることが重要です。
ただ、休養中にもかかわらず会社や病院に書類を依頼しなければならないのが本当に辛かったです。 「休んでいるのに急かすのが申し訳ない……」 そんな気持ちがありましたが、生活のためには必要な手続きなので、割り切ることも大事です。
② 必要な書類と流れ
- 医師に「傷病手当金申請書」の記入を依頼
- 診断書とは別に、医師が「傷病手当金申請書」の証明欄に記入する必要があります。
- 忙しい病院では記入までに時間がかかることもあるので、早めに依頼しましょう。
- 会社に書類を記入してもらう
- 会社側にも申請書の記入が必要です。
- 会社によっては「給与支給の有無」などを確認するため、書類のやり取りが発生します。
- 健康保険組合へ提出
- 書類が揃ったら健康保険組合(または協会けんぽ)へ提出。
- 支給決定まで2週間以上かかることが多い。
休養中の過ごし方(実体験)
傷病手当金を申請しても、実際に入金されるまでには時間がかかります。休養期間中の過ごし方もとても重要です。
私は休養中、なるべくストレスを減らすために 家でゆっくり過ごすこと を心掛けていました。しかし、ずっと家にいると気が滅入ることもあるので、たまに息抜きに外出することも。
ある日、家族で買い物に出かけたときに、まさかの 同僚とばったり遭遇……。
「休んでるのに買い物してるの?」と思われたかもしれません。もちろん、普通に生活すること自体は問題ありませんが、見られると気まずさを感じることもあります。
このようなことが気になる人は、外出のタイミングや場所を考えるのも一つの方法かもしれません。
まとめ
メンタルの不調が原因で仕事を休まざるを得ない状況になったとき、傷病手当金は生活を支える大切な制度です。
- 申請のタイミング は計画的に。資金に余裕がない場合は毎月申請を。
- 書類の準備は早めに。会社や病院の協力が必要なので、余裕を持って依頼する。
- 休養中の過ごし方 も考えておく。外出時の気まずさに備えることも大切。
私自身、この制度に助けられた経験があります。現在メンタルの不調で悩んでいる方も、一人で抱え込まずに制度を活用しながら、無理なく過ごしてください。
以上、実体験を交えての傷病手当金の紹介でした。あなたの生活が少しでも楽になるよう、参考になれば幸いです。
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