はじめに
「仕事が続かなくて辞めてしまった…」「また職を失ったけど、失業保険はもらえるのか?」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職後の生活を支える大切な制度です。しかし、退職理由によっては受給できるかどうか、また受給開始時期が異なるため、しっかりと理解しておくことが重要です。
この記事では、仕事が続かず退職してしまった場合の失業保険について、
- 受給の条件
- 申請の手続き
- 退職理由ごとの扱い
- 必要な書類
- 受給額の計算方法
- 受給する際の注意点
を詳しく解説します。
失業保険(基本手当)の受給条件
失業保険を受給するためには、以下の条件を満たす必要があります。
1. 雇用保険に加入していたこと
失業保険を受け取るためには、会社を辞める前に一定期間「雇用保険」に加入していた必要があります。
- 自己都合退職の場合:退職前の2年間に通算12カ月以上の雇用保険加入が必要
- 会社都合退職(解雇・倒産など)の場合:退職前の1年間に通算6カ月以上の雇用保険加入が必要
※1カ月とは「11日以上働いた月」とカウントされるため、短期のバイトやパートでも条件を満たす場合があります。
2. 働く意思と能力があること
失業保険は「失業中で、再就職の意思がある人」を対象とした制度です。そのため、「しばらく働く気がない」「専業主婦(主夫)になる」などの場合は受給できません。
3. ハローワークで求職活動を行うこと
失業保険を受け取るには、ハローワークで求職の申し込みを行い、積極的に求職活動をしていることが求められます。通常、4週間に2回以上の求職活動が必要です。
退職理由による失業保険の違い
仕事を辞めた理由によって、失業保険の給付開始時期や給付日数が変わります。
1. 自己都合退職の場合(仕事が続かなくて辞めた場合)
「人間関係がつらい」「仕事が合わなかった」「体調が悪くなった」など、自分の判断で辞めた場合は「自己都合退職」となります。
- 待機期間:7日間(共通)
- 給付制限:原則3カ月(ただし2020年10月から一部短縮措置あり)
- 受給可能日数:90日~150日(年齢・雇用保険の加入期間により異なる)
2. 会社都合退職(特定受給資格者)の場合
会社の倒産や解雇、契約期間満了による退職など、会社側の理由で退職した場合は「会社都合退職」扱いになります。
- 待機期間:7日間(共通)
- 給付制限なし(すぐに支給開始)
- 受給可能日数:90日~330日(年齢・雇用保険の加入期間により異なる)
3. 特定理由離職者のケース
「体調を崩した」「ハラスメントを受けた」「通勤困難になった」などの理由で辞めた場合、条件によっては「特定理由離職者」として会社都合退職と同じ扱いになることもあります。
失業保険の申請手続き
1. 必要書類を準備する
失業保険の申請には以下の書類が必要です。
- 離職票(退職後、会社から発行)
- マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
- 本人名義の銀行口座情報
- 証明写真(3cm×2.5cm)
- 印鑑(シャチハタ不可)
2. ハローワークで求職申込をする
最寄りのハローワークで求職申込を行い、失業保険の申請をします。
3. 受給資格の決定
申請後、ハローワークで審査が行われ、受給資格が確定します。
4. 失業認定を受ける
申請後、4週間ごとに「失業認定日」があり、求職活動実績を報告します。求職活動が確認されないと失業保険が支給されません。
失業保険の支給額の計算方法
失業保険の支給額は「賃金日額 × 給付率」で決まります。
- 賃金日額:退職前6カ月間の給与の平均額(日額換算)
- 給付率:賃金日額の50~80%(年齢や給与水準により変動)
例)
- 退職前の給与が月20万円だった場合
- 賃金日額:約6,667円
- 給付率 60%
- 失業保険の1日あたりの支給額=6,667円 × 60% = 4,000円
失業保険を受給する際の注意点
1. アルバイトをすると支給が減る
失業保険を受け取りながらアルバイトをすると、収入額に応じて支給額が減額または停止される場合があります。
2. 不正受給は厳罰
働いているのに「失業中」と偽ると、不正受給となり、受け取った金額の3倍の返還義務が発生します。
3. 受給中に転職が決まったら報告が必要
失業保険を受給中に再就職が決まったら、すぐにハローワークへ報告する必要があります。
まとめ
仕事が続かずに辞めてしまった場合でも、失業保険を受給することは可能です。ただし、退職理由や雇用保険の加入期間によって受給条件が異なるため、しっかりと手続きを確認しましょう。
「働きたいけど仕事が合わない」と悩んでいる方も、失業保険を活用しながら次のステップに進むための準備を進めていきましょう!
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