1. はじめに
発達障害の特性として、「感情のコントロールが難しい」という課題を抱えている人は多いと思います。職場やプライベートで怒りっぽくなったり、イライラが抑えられなくなったりすることはありませんか?
私自身、ADHDの診断を受けており、長い間感情の起伏の激しさに悩まされてきました。衝動的に言い返してしまったり、ストレスを溜めすぎて突然爆発してしまったり……そういう経験を何度もしてきました。
しかし、試行錯誤を重ねた結果、100%ではないものの、少しずつ感情のコントロールができるようになってきました。そこで今回は、私が実践して効果を感じた方法を5つ紹介します。感情の波に飲み込まれないためのヒントになれば幸いです。
2. 感情のコントロールが難しい理由
発達障害のある人が感情を抑えるのが難しい理由には、以下のような要因があります。
- 脳の特性:ADHDやASD(自閉スペクトラム症)では、感情を抑制する脳の前頭前野の機能が弱いため、怒りやストレスを制御しづらい。
- 情報処理の違い:一般的な人よりも刺激に敏感で、ちょっとした出来事にも過敏に反応しやすい。
- 経験の積み重ね:過去の嫌な出来事を思い出しやすく、同じパターンが繰り返されるとより強く反応してしまう。
このような特性があるため、感情が高ぶりやすく、コントロールが難しくなるのです。
3. 試してほしい5つの手段
① 「6秒ルール」を実践する
感情が爆発しそうになったとき、衝動的に反応してしまうと後悔することが多いですよね。そんなときは 「6秒待つ」 ことを意識してみてください。
怒りや強い感情のピークは、6秒程度で和らぐと言われています。その間に深呼吸をする、心の中で数を数えるなどして、衝動的な反応を抑える習慣をつけましょう。
実体験 私は仕事でミスを指摘されたとき、カッとなって言い返したことが何度もあります。しかし、「6秒待つ」を意識し始めてからは、一呼吸おいて冷静に考えられるようになりました。
② 感情を書き出す「ジャーナリング」
怒りや不安を感じたら、それを紙やスマホのメモに書き出すことで、気持ちが整理されやすくなります。
書き方のポイント:
- 今の感情をそのまま書く(例:「仕事でミスして最悪な気分」)
- その感情が生まれた理由を書く(例:「上司に注意されたのが嫌だった」)
- 解決策を考える(例:「次回は確認を徹底する」)
書くことで頭の中が整理され、感情に振り回されにくくなります。
実体験 私は、仕事でイライラしたときにすぐにメモアプリに気持ちを書いています。これを始めてからは、怒りに飲まれることが減り、冷静になれることが多くなりました。
③ 「感情の温度計」を使う
自分の感情が今どのレベルにあるのかを 「温度計」 のように数値化してみる方法もおすすめです。
例:
- 0〜3(落ち着いている)
- 4〜6(ややイライラしている)
- 7〜10(怒り爆発寸前)
この方法を使うと、「今はレベル6だから、一度距離を置こう」など、適切な対処がしやすくなります。
実体験 感情の波を数値化することで、「今はちょっとヤバいな」と事前に気づけるようになり、衝動的な行動が減りました。
④ 体を動かしてリセットする
感情が爆発しそうなときは、一度 体を動かす ことでクールダウンできます。
- 軽いウォーキング
- ストレッチ
- 深呼吸をしながら背伸び
運動をすると脳内にリラックス効果のあるホルモンが分泌され、感情が落ち着きやすくなります。
実体験 私は仕事の休憩時間に外に出て歩くようにしたら、職場のストレスが軽減されました。
⑤ 「自分を許す」習慣をつける
発達障害のある人は、「感情をコントロールできない自分はダメだ」と自分を責めがちです。しかし、感情の起伏が激しいのは特性の一部であり、完全に抑え込むことはできません。
「今日も感情が揺れたけど、頑張った」 「失敗したけど、それも自分の成長の一部だ」
こうやって 自分を許す ことで、少しずつストレスが軽減されます。
実体験 以前は「また怒ってしまった」と落ち込んでいましたが、「感情を全部抑え込まなくてもいい」と思うようになってから、気持ちが楽になりました。
4. まとめ
感情のコントロールが難しいのは、発達障害の特性によるものなので、完璧に抑え込もうとすると逆にストレスになります。今回紹介した5つの方法を試しながら、少しずつ自分に合ったやり方を見つけていきましょう。
- 6秒ルールを試す
- 感情を書き出す
- 感情の温度計を使う
- 体を動かしてリセットする
- 自分を許す
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