私はADHDの診断とHSPの特性を持っています。これまでの人生で、社会の中で生きづらさを感じることが多々ありました。特に仕事や人間関係において、普通の人ならスムーズにできることが、私にとっては難しく、苦しむ場面が多かったです。
この記事では、私が社会で生きづらさを感じた体験を具体的に語り、その経験をどう乗り越えてきたのかを共有します。私と同じように生きづらさを感じている人にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
1. 仕事での苦しみ
私はこれまでにコールセンターの仕事や複数の営業職などさまざまな仕事を経験してきました。その中で、特にADHDとHSPの特性が影響して、苦しい思いをしたことが何度もあります。
1-1. マルチタスクと業務の負担
私は営業職時代、複数の案件や工程が重なったときに混乱しやすく、優先順位をつけるのが苦手でした。どれから手をつければいいのか分からなくなり、気がつけば締め切りが迫っていたり、大事なタスクを後回しにしてしまうことがよくありました。
1-2. 過剰に短期間で頑張りすぎてしまい、長距離で仕事が続けられない
私は新しい仕事を始めると、最初のうちは全力を出して短期間で成果を出そうとしてしまいます。自分の中で「頑張らないと認められない」「今のうちに結果を出さないといけない」という焦りがあり、無理をしてしまうのです。まさにドーピングのような状態です。そうすることによって人一倍行動力がありますし、アイディアもどんどん出てきますので、成績は一時的にトップクラスになりますし、全国企業では営業成績全国1位やMVP賞の受賞もできました。ただしその結果、数ヶ月経つと燃え尽きてしまい、仕事が続けられなくなることが何度もありました。
また、過剰に力を入れすぎることで、ミスをしたときの自己否定感が強くなり、「こんなに頑張ったのにうまくいかない」「やっぱり自分には向いていない」と極端な思考になり、仕事を辞める決断を早まることもありました。ADHDなのでミスは誰よりも多いですしね。
2. 人間関係の難しさ
ADHDとHSPの特性を持つ私にとって、人とのコミュニケーションも大きな壁でした。
2-1. 言いたいことがうまく伝わらない
私は思ったことをすぐに口に出してしまうことがあります。それが時には相手を傷つけてしまうこともあり、後から「余計なことを言ってしまった」と後悔することがよくありました。
逆に、相手の話を聞きすぎてしまい、言いたいことが言えずにモヤモヤすることも多かったです。
2-2. 環境に対する過剰なストレス
HSPの特性から、私は周囲の雰囲気を敏感に感じ取ります。職場の人間関係がピリピリしていると、必要以上に気を使ってしまい、仕事が終わる頃にはぐったりしてしまうことがありました。
また、相手の表情や声のトーンが少し違うだけで、「怒っているのではないか」「嫌われたのではないか」と過剰に考えすぎてしまい、人と接するのが怖くなることもありました。
コールセンターは人が多い環境で、HSPの私にとってはそれが大きなストレスになりました。休憩所の雑然とした雰囲気が苦手で、大勢の人の目線や存在が気になり、そこにいることができませんでした。
その結果、潔癖にもかかわらずトイレの個室で食事をせざるを得なかったり、食事自体を取らなかったりすることもありました。安心できる場所がなく、ただ耐えるしかなかったのです。
この状況が続くうちに、仕事へのモチベーションが低下し、コールセンターの仕事を続けるのが苦しくなっていきました。
3. 生きづらさをどう乗り越えてきたか
これまでの経験を通して、私はいくつかの対策を試してきました。
3-1. 仕事の工夫
- メモを活用する ADHDの特性上、忘れっぽく、注意が散漫になりがちなので、すぐにメモを取る習慣をつけました。スマホでのメモ機能やボイスメモ、手帳等のアナログメモ等なんでも試しました。
- ルール化する 仕事の流れを決めて、毎回同じ手順で作業するようにすることで、ミスを減らすことができました。一度自分でチェックリストを作って業務の一連の流れを毎回同じ手順でできるようにすることがおすすめです。
- 優先順位のリストを作る 何を先にやるべきかをリスト化することで、迷う時間を減らし、効率を上げることができました。バインダーにA4用紙をつけてそこに直接書き込んでもいいですし、予め手書きで枠を作って、付箋を貼って適宜付箋の位置を変えて管理することで、視覚的に優先順位を分かるようにする方法がおすすめです。
3-2. 人間関係の工夫
- 考えすぎないようにする 「相手は自分のことをそこまで気にしていない」と思うことで、過剰に悩むことを減らしました。自分もそうですよね。実は他人のことってあんまり気にしてないですからね。それをとにかく言い聞かせました。
- 距離感を意識する 人と適度な距離を保つことで、無理に合わせようとせず、自分のペースを守ることができました。これは職場の環境にもよりますが、物理的に距離を取れるならそうしてました。もし物理的な距離が無理な環境でなけれな心の距離感を意識すると良いと思います。前項の考えすぎないようにするということが基本ですね。
- 本当に信頼できる人を見つける すべての人とうまく付き合おうとするのではなく、理解してくれる人を大切にすることで、人間関係のストレスを減らしました。そして、時にはその信頼できる人さえ敵に思ってしまうこともあると思いますが、そんな時もこの人は自分の味方だと言い聞かせて、自分の気持ちを保っていくことも大切です。
まとめ
ADHDとHSPの特性を持つ私にとって、社会で生きることは簡単ではありませんでした。しかし、自分なりの工夫をすることで、少しずつ生きやすくなってきています。
もし同じように生きづらさを感じている人がいたら、無理をせず、自分に合った方法を見つけることを大切にしてほしいです。自分を責めるのではなく、「どうすれば少しでも楽になるか」を考えて、少しずつ前に進んでいきましょう。
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