はじめに
会社員として働きながら副業をする場合、近年では多くの人が収入を増やす手段としてフリーランス活動を検討しますよね。しかし、副業を始める際には就業規則や税金、確定申告、社会保険の影響、さらには失業時の扱いなど、さまざまな懸念点があります。本記事では、これらのポイントを詳しく解説し、在職中にフリーランス活動を行う際の注意点を紹介します。
1. 就業規則の確認
副業を始める前に、まず確認すべきなのが会社の就業規則です。企業によっては、副業が禁止されている場合があります。
1.1 副業禁止規定がある場合
多くの企業では、競業避止義務や業務への影響を理由に、副業を制限しています。もし就業規則で副業が明確に禁止されている場合、事前に許可を取らずに始めると懲戒処分の対象となる可能性があるため、慎重に行動する必要があります。就業規則は黙っていると見る機会が無いという会社もあるかと思いますが、会社には必ず設置してありますので、見たことが無いという方はしっかりと確認することをおすすめします。
1.2 許可制の場合
副業を認めている企業でも、事前申請が必要な場合があります。この場合、上司や人事部に相談し、承認を得ることが求められます。
1.3 会社にバレる可能性
副業が就業規則で禁止されていない場合でも、住民税の納付方法などから会社に副業がバレることがあります。詳細は後述します。
2. 税金と確定申告のポイント
フリーランスとして収入を得た場合、所得税や住民税の申告が必要になります。ここでは、税金面での注意点を解説します。
2.1 確定申告が必要なケース
給与所得以外の所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。フリーランス収入が少額であっても、この基準を超えると税務申告が義務付けられます。
2.2 住民税で副業がバレる可能性
副業収入が発生すると、住民税の金額が増えます。通常、住民税は給与から天引きされますが、副業収入分も合わせて計算されるため、会社に通知される住民税額が通常より増加し、副業が発覚することがあります。
対策:
- 確定申告の際に「住民税の支払い方法」を自分で納付に変更することで、会社に知られるリスクを低減できます。
2.3 青色申告の活用
個人事業主として開業届を提出すると、青色申告が可能になります。青色申告を利用すると、最大65万円の控除が受けられるなど、税制上のメリットが大きくなります。
3. 休職中のフリーランス活動
病気やメンタルヘルスの理由で休職している場合、休職中の副業が認められるかが重要なポイントになります。
3.1 休職中の副業は可能か?
休職中でも副業が認められるかどうかは、会社の規定や休職の種類によります。
- 傷病手当金を受給している場合 → 基本的に副業はNG。
- 傷病手当金は「労働ができない状態であること」が支給要件のため、働くと受給資格を失う可能性があります。
- ただし、内職のように軽微な作業であれば「労働」とみなされず、受給が継続されるケースもあります。実際の判断はケースバイケースなので、事前に健康保険組合などに確認することが重要です。
- 自己都合の休職の場合 → 会社の就業規則次第。
- 許可が必要な場合もあるため、事前に確認しましょう。
4. 失業時の失業保険とフリーランス活動
もし会社を退職した場合、**失業保険(雇用保険の基本手当)**を受給できるかどうかも重要です。
4.1 失業保険をもらいながら副業は可能か?
失業保険を受給するには、積極的に求職活動を行っていることが条件です。そのため、フリーランスとしての活動が「求職活動を妨げる」とみなされると、受給資格を失う可能性があります。
ポイント:
- 週20時間以上の労働を行うと「就労」とみなされ、失業保険が支給停止となる。
- 収入が一定額を超えると、支給額が減額される可能性がある。
4.2 受給しながらフリーランスを始める方法
- まずは**「求職者」としての意思を明確に示す**(求職活動実績を作る)。
- 副業の収入が少額であれば、失業手当の減額で済む場合がある。
- いずれにせよ、ハローワークでの相談が重要。
5. 開業届の提出
フリーランスとして活動を本格的に行うなら、開業届を提出するメリットが大きいです。
5.1 開業届を出すメリット
- 青色申告が可能になり、税制上のメリットを受けられる。
- 経費として認められる範囲が広がる。
- 社会的な信用を得やすい(ビジネス口座の開設など)。
5.2 副業の段階では開業届を出すべき?
副業としての収入が一定以上(年間50万円以上の利益など)になったら、開業届を出すのが一般的です。ただし、開業届を出すと「事業所得」として扱われるため、税務署からの監査が入りやすくなる点には注意が必要です。
まとめ
在職中にフリーランスとして活動する際には、以下の点に注意しましょう。
- 就業規則を確認する(禁止されている場合は慎重に対応)。
- 税金や住民税の支払い方法に注意する(確定申告を忘れずに)。
- 休職中の副業は、傷病手当との関係を確認(内職扱いになるかもチェック)。
- 失業時の失業保険との関係を理解する(収入や労働時間に注意)。
- 開業届を出すタイミングを見極める(青色申告のメリットも考慮)。
副業やフリーランス活動は、収入の選択肢を増やし、将来のキャリアの幅を広げる有効な手段です。ただし、リスク管理を怠らず、計画的に進めることが重要です。
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